ニキビに対するホルモン治療

ニキビに対するホルモン治療

ニキビの原因に身体の内側から直接働きかけ予防、治療するのが
“ホルモン治療”です。

女性の体内には女性ホルモンのみならず男性ホルモンも存在しています。生理周期や疲労、ストレス、睡眠不足などで体内のホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが過剰になると毛穴からの皮脂分泌が増えニキビが出来やすい状態もしくは治りにくい状態になります。体質的に男性ホルモンが過剰な方も同様です。
当院では2種類の薬、スピロノラクトンと低用量ピル(ニキビ治療に適したピル)を用いて過剰な男性ホルモンの働きを抑えることで身体の内側からニキビの治療、予防を行っております。

※ピル単独では重症なニキビを対処するのは困難です。

以下の様な方にホルモン療法をお薦めします

  • 身体の外から治すあらゆる治療(内服、外用、レーザー、フォト、フォトダイナミックセラピー)を試したが効果が感じられなかった方
  • 顎やフェイスラインにニキビが出来やすい方
  • 背中ニキビでお悩みな方
  • 生理前にニキビがひどくなる方
  • 環境の変化やストレスを感じた際にニキビがひどくなる方

当院のこだわり

ニキビホルモン治療のポイントになる薬剤「アルダクトン」の各人における適量を見極め皮脂量をコントロールすること(低用量ピルはあくまで補助的役割です)で身体の内側からニキビを予防、治療していきます。

効果出現時期と服用期間

個人差がありますが3ヶ月前後で新たなニキビができにくくなり症状が少しずつ落ち着いてきます。服用期間は症状によりアルダクトンの内服量に変化するため短い方ですと半年、長い方ですと1年ほどかかると考えてください。

副作用と注意点

低用量ピル

  • 薬疹:内服開始後14日前後から全身に赤い斑点が出現します。その場合は発生時点で中止する必要があります。
  • 吐き気、嘔吐、頭痛:内服開始時に出現することが多く通常は数日間で消失してきます。飲み続けられない様であれば中止して下さい。
  • 不正出血:内服中に不正出血が起こることがあります。長期間続くような場合は医師に相談して下さい。
  • 無月経:3~4ヶ月生理がこない場合は医師に相談して下さい。
  • 血栓症:低用量ピルを服用していない人では1万人につき0.3人から0.6人、低用量ピルを服用している人は0.9人から1.8人の発症率です。ふくろはぎの痛みや突然の息切れ、呼吸苦、胸の痛み、目が見えにくくなるなどの症状がおきましたら内服を止め救急病院を受診して下さい。
  • 子宮頸がんのリスクが高くなる:低用量ピルを服用していない人より1.3倍から2.1倍リスクが高くなります。

※がんと低用量ピルの詳細に関しては「良くある質問」の項目内をご覧ください。

アルダクトン(スピロノラクトン)

乳房痛、生理不順、不正出血、無月経、多毛、性欲減退、声の低温化、倦怠感、めまい、頭痛、嘔気、食欲減退、蕁麻疹、薬疹、電解質異常(カリウム上昇)、腎不全

ホルモン療法を受ける際の注意点

  • 当院では治療を開始する前に子宮頸がん検診の受診をお願いしています。
  • 予約制での治療となりますのでご希望の方は電話で御予約をお取りください。
  • ホルモン療法中は必ず禁煙して下さい。
  • ホルモン療法を安全に効果的に受けていただくために内服開始前、内服開始後1ヶ月、3ヶ月、治療終了時に血液検査(自費)、が必要となります。

※医師の判断で上記以外の時期に採血をお願いする場合がございます。

以下に該当する方はホルモン療法を受けられません。

アルダクトン(スピロノラクトン)を使用できない方

  • 免疫抑制剤のタクロリムス(商品名:プログラフ)、抗がん剤のミトタン(商品名:オペプリム)、降圧薬のエプレレノン(商品名:セララ)を投与中の方
  • 月経困難治療薬のドロスピレノン(商品名:ヤーズ、ヤーズフレックス)を内服中の方
  • 妊娠中の方、授乳中の方
  • 心臓・肝臓・腎臓の病気のある方
  • 脳動脈硬化症の方
  • カリウムが高い方
  • 減塩治療(高血圧治療)をされている方
  • アジゾン病の方
  • アルダクトン(スピロノラクトン)にアレルギーのある方

低容量ピルを内服できない方

  • 過敏症のある方
  • 乳がん。子宮内膜がん・子宮頸がん、子宮筋腫およびその疑いがある方
  • 原因不明の性器出血がある方
  • 40歳以上の方
  • タバコを吸う方
  • 肥満症(BMI:35以上)の方
  • 肝障害のある方
  • 血栓症素因のある方
  • 緑内障やその疑いのある方
  • 血管障害(肺塞栓症・脳血管障害・冠動脈疾患の人やその既往のある方)
  • 脂質異常症のある方

料金

初診時は初診料¥2,200、血液検査代¥5,500 以後再診料¥1,100  別途薬代

お支払いの大まかな目安
6ヶ月の治療期間で約¥110,000(薬代含む)

※税込
※クレジットカードでの支払いが可能です。

よくある質問

ホルモン治療でニキビは必ず良くなりますか?

必ずとは言えませんが適切なホームケアと併用して行えば満足する結果が得られやすい治療方法だと思います。

ホルモン治療はニキビの根本的な解決になりますか?

スピロノラクトンを用いたホルモン療法は効果が非常に高く中止後もリバウンドが起きにくいのが特徴です。

保険治療と併用することは出来ますか?

保険医療法で自費診療と保険診療の混合治療は日本では認められない為に併用はできませんのでご了承ください。

男性のニキビや思春期のニキビにホルモン療法は適応になりますか?

ニキビのホルモン療法は成人型のニキビのみ適応があります。男性や思春期のニキビには適応はありません。

スピロノラクトンは利尿薬ということですが内服すると尿意が近くなりませんか?

スピロノラクトンは長時間作用型の利尿薬の為1回の尿量は増えますがトイレに行く回数は増えても1,2回程度です。

スピロノラクトンで血圧は下がりませんか?

降圧薬の中でもマイルドな作用薬なため急激に血圧が下がることはございません。当院では外来受診時に毎回血圧を測定させて頂きます。

低用量ピルと子宮頚癌の関係性について

ピルの内服期間が長いほど子宮頸がん発症のリスクが高くなります。またピルの服用を中止すると発症のリスクは下がります。
子宮頸がんはがん検診をきちんと受けていればガンになる前の早期に発見して治療できますので必ず検診は受けるようにしましょう。

低用量ピルを内服すると不正出血するのはなぜか?

ピルによる不正出血は、ホルモンバランスの変化により生じるものと考えられております。初めて内服される方の20−30%で不正出血がみられると言われています。
本来生理で排出されるはずだった経血が子宮内にとどまり徐々に排出されるため不正出血が続くこと、ピルの飲み忘れにより女性ホルモンが減少することで子宮内膜が剥がれ出血する場合があります。
ほとんどの場合、2シート目でおさまることがほとんどですが、3シート目以降も不正出血が続く場合は当院外来を受診していただき相談してください。
子宮筋腫や子宮癌などが隠れている場合がありますので婦人科の受診をお願いする場合があります。

診療時間 日/祝
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15:00~18:20(受付14:45~)
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    ペインクリニック火・金・土

いしいクリニック築地

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