粉瘤
粉瘤
粉瘤とは皮膚の内側に袋が形成されその中に垢(あか)や膿が溜まってしまう疾患で押し出すと内容物の一部が漏れ出ることもあります。初めは米粒大のしこりがあり時間の経過と供に徐々にサイズが大きくなるのが一般的です。また粉瘤に細菌感染が合併すると炎症性粉瘤という赤く腫れあがった状態になりこの時点では通常痛みや不快な匂いを伴います。いずれの場合にも根治には角質や膿を袋ごと摘出する必要があります(袋を取り出さない限り時が経過すると再び内容物が袋内に溜まり粉瘤が形成されてしまいます)。当院では大部分の症例に対して鍵穴手術法(くりぬき法)で対応しています。
鍵穴手術法(くり抜き法)は従来の手術法(紡錘形に皮膚を切開し粉瘤を取り除き縫い合わせる手術法)に比して
- 手術時間が短い(従来の手術法では1時間近く掛かる例も鍵穴手術なら15分程度で出来る)
- 傷跡が小さい(大概の粉瘤は5mm以下の傷で手術出来ます)
- 傷を縫わなくても済むことが多い
と言ったメリットがあります。
※当院の院長はひと月あたり粉瘤の手術は100件前後・ホクロの手術40件前後のクリニックで外来を担当し多くの患者さんから好評を得ておりました。
その為当院では粉瘤の治療を積極的に行っております。
※粉瘤の袋を摘出する手術の詳細に関しては手術療法のページをご覧下さい。
粉瘤に関するよくある質問
なぜ粉瘤は出来るのか?
今現在はっきりした理由はわかっておりませんが体質が関係している様です。実際に出来やすい方は身体の複数ヶ所に粉瘤を認めることがしばしばあります。
粉瘤は取るべきか?
絶対に取らなければならないということはありません。ただサイズが大きくなってからとる際には傷も大きくなってしまいます。また炎症性粉瘤になりますと疼痛や匂いを伴いますし、この時点でとる場合は炎症の為に麻酔薬も効きにくく施術中に痛みを伴うこともしばしばです。
このようなことから考えますと気が付いた際に取ってしまった方が無難ではないかと思います。
粉瘤に似た疾患は?
しこりの真ん中に黒い点(臍)がある場合はほぼ粉瘤で間違いないと思います。これが認められない場合は皮膚線維腫や脂肪腫、石灰化上皮種、軟部組織系の腫瘍などが候補に挙がると思います。
またしこりに炎症が伴っている場合は毛包炎やせつなどが鑑別疾患に挙げられると思います。
当院では手術した場合に術中所見だけでは病名が確定し得ない際は病理検査という顕微鏡検査を行い確定診断を行っております。また同時に良性、悪性の判断もいたします。
季節に関係するのか?
粉瘤に細菌が感染する炎症性粉瘤の患者さんの数は気温が上昇すると増える気がします。