ワクチン接種
インフルエンザワクチン
感染症には大きく二つあり"細菌感染"によるものと"ウイルス感染"によるものがあります。インフルエンザは後者であるウイルス感染症の一つです。毎年冬になるとインフルエンザに感染する人が増加します。ではインフルエンザワクチンを接種した人としない人でどのような差が生まれるのでしょうか。
インフルエンザ接種をうけた方は接種していない人に比べ肺炎などで死亡する危険性が20%近く減少した報告があります。またインフルエンザにかかった際の症状が接種していない人に比べ症状が軽く回復時間も短いのです。
今までインフルエンザにかかった事がないから予防接種はしませんと言っている方をみかけますが病気はいつかかるか予告してくれません。そのためにはならないための予防が必要となってきます。そのためにもしっかりインフルエンザワクチンの接種をお勧します。2015年からインフルエンザワクチン株が変更になり、インフルエンザウイルスの抗原量が増え3価(A型2種類、B型1種類)から4価(A型2種類、B型2種類)のワクチンに変更となりました。
昨年は例年に比べインフルエンザ発症時期が遅く年明けからインフルエンザ罹患患者さんが増え2月3月がとても多かったです。しかし毎年罹患時期の傾向は変わるため出来るだけ早期の接種をおすすめします。
★ 対象者
生後6ヶ月以上の方なら接種可能です。
★ 接種回数
- 6ヶ月~13歳未満は2回(1回目から2~4週間の間隔をあけて2回目接種)
- 13歳以上は1回または2回(1回目から1~4週間の間隔をあけて2回目接種)
★ 接種量
- 6ヶ月~3歳未満は1回0.25mlを皮下注射
- 3歳以上13歳未満は1回0.5mを皮下注射
- 13歳以上は0.5mlを皮下注射
★ 接種間隔
- 2回接種する場合は免疫効果を考慮し4週間あける事が望ましいとされています。
- 6ヶ月~13歳未満は1回目から2~4週間の間隔をあけて2回目接種、13歳以上は1回目から1~4週間の間隔をあけて2回目接種を推奨しております。
- ほかのワクチン製剤との接種間隔は生ワクチンを受けた方は通常27日以上、不活化ワクチンを受けた方は通常6日以上おいて接種して下さい。
※生ワクチン:BCG、麻疹・風疹混合[MRワクチン]、水痘ワクチン、流行性耳下腺炎、ロタワクチンなど
※不活化ワクチン:4種混合、小児肺炎球菌、Hib、日本脳炎、B型肝炎、子宮頚がん、インフルエンザワクチンなど
生ワクチン、不活化ワクチンについては下記のURLが参考になります
http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/249-vaccine/vaccine.html
★ 効果
- 個人差もありますがワクチン接種から2~3週間程度でウイルスに対する免疫ができます。
- 効果は5ヶ月間続くと言われております。しかしインフルエンザワクチンを3週間隔で2回接種した場合、接種1ヶ月後の有効予防水準は77%、3ヶ月後は78.8%ですが5ヶ月後になると50.8%まで減少する事が報告されています。つまり10月に接種すると2月には効果が半減している事になります。
- 糖尿病、高血圧、高脂血症などの基礎疾患をおもちの方は効果の持続期間が更に短くなると報告されており当院では2回の接種を推奨しております。
★ 副作用
- 安全性の高いワクチンであり重篤な副作用は極めて稀です。
- 局所反応としては注射部の痒み、発赤、腫れなどがありますが2~3日程度で消失します。
- 全身反応としては発熱、咽頭痛、倦怠感などがみられる事があります。
★ ご質問
Q.予約はできますか?
A.平日は予約なく接種する事が可能ですが、土曜日は予約制をとっております。土曜日の接種をご希望のかたはクリニックまでご連絡ください。
また本年度は3密を避けるため、問診票を事前に記載してきたいただくようにお願いしております。
HPにあるインフルエンザワクチン問診票をダウンロードして記載して御来院お願いします。
Q.企業単位で予防接種をお願いできますか?
A.出張接種はできませんが、来院していただければ承ることは可能です。
Q.当日お風呂には入れますか?
A.入浴は可能です。ただし長時間の入浴は局所症状が出やすくなりますので避けてください。
Q.接種した後、お酒は飲んでもいいですか?
A.血液の循環が良くなり接種部位がはれる事がありますので極力控えてください。
Q.接種後の運動はどうでしょう?
A.アルコールと同様で血液の循環が良くなり接種部位がはれる事がありますので極力控えてください。
接種時の注意事項
予防接種を受ける時の注意
- 明らかに発熱のある人(37.5℃以上)
- 重篤な急性疾患にかかっている事が明らかな人
- 過去にインフルエンザワクチンに含まれる成分で、アナフィラキシーを起こした事がある人
- その他、医師が予防接種を受けることを不適当と判断した人
予防接種を受ける際に医師とよく相談しなくてはいけない人
- 発育が遅く、医師や保健師の指導を継続してうけている人
- 風邪のひきはじめと思われる人
- 家族、遊び仲間、クラスメートの間に麻疹(はしか)、風疹、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)などの病気の方がいる人
- 心臓病、膵臓病、肝臓病、血液疾患などの基礎疾患がある人
- 前回の予防接種をうけた時に2日以内位に発熱、発疹、蕁麻疹などのアレルギー症状が見られた人
- 今までにけいれんを起こした事がある人
- 過去に免疫不全と診断された事がある人及び近親者に先天性免疫不全症の人がいる人
- 間質性肺炎、気管支喘息とうの呼吸器疾患のある人
- 薬の投与または食事(鶏卵など)で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたした事がある人
- 妊娠の可能性のある人
予防接種をうけた後の注意
- 予防接種をうけた後30分は医療機関と連絡が取れるようにしておきましょう
- 接種後、1週間は副反応に気をつけてください
- 接種後に体調変化があった場合は速やかに医師の診察を受けて下さい
副反応
- 注射の跡が赤くなったり、腫れたり、傷んだりする事がありますが通常は2-3日で治ります
- 人によっては熱が出たり、倦怠感を感じる事がありますがこちらも2-3日で改善する方が多いです
何か気になる症状などございましたら迷わず医師の診察を受けましょう。