手湿疹
手湿疹の種類
一言に「手湿疹」といっても実は原因別にいくつか種類があります。日常診療でしばしば遭遇するものとしては①普通の手荒れ ②異汗性湿疹 ③アレルギー性の手荒れ ④手白癬があげられます。
ハンドクリームを使用すれば治る程度でしたら「普通の手荒れ」と考えて良いかもしれませんがなかなか治らないものの中には「アレルギー性の手荒れ」や「手の水虫」が隠れていることがあります。
日常生活上で手が荒れる様な要因がない方や高齢者の手荒れにも注意が必要です。
当院の治療ポリシー
当院ではまずどのタイプなのかを問診、視診、顕微鏡検査などで判別し手湿疹の重症度に合わせた薬を処方いたします。また必要時には状態にあった保湿剤も提案いたします。
普通の手荒れ
洗濯や炊事で皮膚の表面組織(角層)が剥がれて発症します。処方薬の使用で手の表面を良い状態にした後に皮膚表面をバリア出来る様なハンドクリームを使用し良い状態を保つことが重要です。
異汗性湿疹
一つもしくは複数の指の横に小水疱が出現するのが特徴です。なぜこのような状態になるかはわかっておりませんが治療法は確立されています。発症に生活習慣が関与しているという説もありますので難治性の場合はそちらも考慮にいれて加療いたします。
アレルギー性の手荒れ
紙や段ボールには防虫剤をはじめとする様々な化学物質が付着しているため注意が必要です。またゴム手袋の使用による手荒れもこのカテゴリに入るとおもいます。稀なケースですが手袋に付着していた防虫剤で手荒れを起こしていた方も過去におられました。
手白癬
片側のみの手あれ、足白癬がもともとある方の手荒れ、高齢者の手荒れを見たらこちらの疾患を考えます。診断には顕微鏡検査が必須です。ステロイド外用薬を使用しますと途端に増悪するので注意が必要です。