血圧が高い
日本人では成人の約2.4人にひとりが高血圧といわれています。
高血圧治療の目標は、高血圧の持続によってもたらされる心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの心血管病の発症・進展・再発を抑制し、死亡率を減少させることです。
過去の臨床試験の結果では収縮期血圧10mmHg、拡張期血圧5mmHg 低下させることで心血管病のリスクを脳卒中では約40%、冠動脈疾患で約20%減少する事が明らかになっています。
症例 年齢45歳 男性 身長 165cm、体重 75kg、BMI 27.5
3年前の健康診断で血圧高値(150/95mmHg)をしてきされていたが、仕事も営業職で忙しく、特に医療機関は受診していませんでした。
1週間前から頭痛が続いていましたが、仕事で疲れているためと考え市販の鎮痛薬を内服しながら経過を見ていましたが症状は改善しません。心配になった妻から一度病院を受診したほうが良いと言われ、当院を受診されました。
来院時の血圧は190/130mmHgまで上昇している状況でした。早急に血圧を下げないと高血圧性の脳出血などを起こす危険性を説明し降圧薬を開始しました。
この方は家族歴に高血圧はなく、お話から生活習慣の乱れから血圧上昇をきたした可能性が高いと考え、まずは食事内容の見直しと毎日30分ほどの歩行運動をおこなっていただいて経過をみております。
この患者さんの問題点として
- 1. 健康診断で高血圧を指摘されたが血圧高値の認識がなかった(病識がない)
- 2. 営業職で忙しく食生活が乱れている
- 3. 運動習慣がないこと
この患者さんは頭痛の症状が出現したから病院を受診してくださいましたが、症状が出てからでは手遅れの場合があります。
少しくらい血圧が高いくらいだし大丈夫という考えは危険です。
健康診断や自宅で血圧高値の時は一度受診ください。