くちびるが腫れる原因
くちびるが腫れる原因は「食物アレルギー」「ウィルス感染」「乾燥」「口内炎」の3つに大きく分けられます。
- 食物アレルギー:口腔アレルギー症候群
- ウィルス感染:口唇ヘルペス
- 乾燥
- 口内炎(口唇炎)
当院の治療ポリシー
問診、視診、アレルギー検査などによって可能な限り症状を引き起こす原因を突き止め、各人の状況に適するお薬を処方するとともに再燃を予防するための正しい日常ケア方法をお伝えいたします。
口腔アレルギー症候群
リンゴやもも、キウイやパイナップルなどの生の果物を食べた後にくちびるや口の中、喉に違和感やかゆみ、腫れを感じる食物アレルギーです。多くは花粉症に合併する食物アレルギー※1なため原因食物と同時に花粉を避けることも重要です。
※1 このような反応を交差反応と言います。花粉と果物などのように異なる物質であっても、その物質に含まれるアレルゲンとなるタンパク質の構造が似ている場合があります。その場合、花粉に対するアレルギーがあるとそれと似たタンパク質を含む果物を食べるとアレルギー症状が出やすくなります。
(例)
- ゴム手袋(ラテックス)⇒アボガド、キウイ、バナナ、パイナップル
- ハンノキ、シラカンバ⇒りんご、もも、大豆
- スギ、ヒノキ⇒トマト
- カモガヤ、オオアワガエリ⇒メロン、スイカ、キウイ
- ヨモギ⇒ニンジン、セロリ
- ブタクサ⇒メロン、スイカ
口唇ヘルペス(単純疱疹)
しばしば口内炎と鑑別を要する疾患です。
本疾患の特徴は口唇の腫れの他に、ピリピリした違和感がある、外見は島上の水疱疹、再発性が挙げられます。
またアトピー性皮膚炎が基礎にある患者さんが本疾患に罹患すると広範囲に皮疹が広がる「カポジ水痘様発疹症」を発症しやすいので注意が必要です。
治療は抗ウィルス薬の内服が標準です。通常1週間程度で治癒します。
口内炎(口唇炎)
しばしば口唇ヘルペスと鑑別を要する疾患です。口唇を噛んでしまった場合や身体の疲労が著しい時に出現しやすい特徴があります。口唇に適する外用薬を使用することで疼痛を改善しつつ治癒を目指します。
乾燥
ザラザラしているだけであれば保湿のみで改善いたしますが口唇に炎症を認めるような場合は保湿のみでは改善しないこともしばしばです。その場合は口唇に適する外用薬を使用することをおすすめします。