性感染症にかかると何か症状がでるイメージが強いかもしれませんが、症状がなかったり潜伏期間が長期のためまだ出現していないことも考えられます。そのため知らず知らずのうちに大切なパートナーなどにうつしてしまうこともあります。
検査は特別なことをする必要はなく、尿や採血を用いることで感染の有無を判定することが可能です。
性感染症は特別なものではなく誰でもかかりうるものです。感染機会があった場合や何か自覚症状がある場合は一人で悩まずにご相談ください。
<目次>
当院の性感染症診療の特徴
●保険適応で性病検査・治療を受けられます。
症状が確認できる際は保険適応内で検査・治療・処方を受けていただけます。具体的にはクラミジア診察+検査(約¥2,500)、治療薬(約¥1,500)など。詳しくは保険診療・自費(自由)診療の料金 、保険・自費(自由)診療に関するよくある質問の項目を御覧ください。
●当日検査結果が知りたい場合、症状がない場合は自費(自由)診療で検査が可能です。
「匿名で診療を受けたい」「症状はないが性感染症が気になる」「パートナーが性病になったので自分も検査したい」「結婚前などのブライダルチェック」などのご希望も対応が可能です。詳しくは保険診療・自費(自由)診療の料金 、セットメニューとその料金、保険・自費(自由)診療に関するよくある質問の項目を御覧ください。
またクラミジアや淋菌感染を疑う場合は1時間以内に結果が出る検査の提供も可能です。
詳しくはクラミジアの項目を御覧ください。
※男性の迅速(即日)検査は精度の問題で行っておりません。
●検査結果はネットで確認いただけます(自費の場合)
保険診療の場合は来院にて結果説明になります。
●他人の目を気にすることなく受診が可能です。
当院は性感染症以外にも皮膚科、ペインクリニック、美容皮膚科領域の診療を行っております。そのため他人の目を気にすることなく受診が可能です。
●性感染症学会会員の男・女医師が在籍しております。
曜日により男性もしくは女性の医師が外来を担当しています。
●受診に際して予約は不要です。
検査を受けたい、治療が必要かな、と思った時に受診が可能です。
●尖圭コンジローマの治療は炭酸ガスレーザーを用いた治療法を積極的に行っています。
尖圭コンジローマは男女共に非常に治りにくい疾患です。当院では早期の治癒が望めて再発の可能性が低いという理由から炭酸ガスレーザーを用いた治療法を行っています。
詳細は尖圭コンジローマの治療の項目を御覧ください。
受診の流れ
予約は必要ありません。直接いらして問診票の記載をお願いします。来院時に「何科の受診ですか?」と受付スタッフに問われましたら皮膚科とお答えください。
お名前が呼ばれましたら診察室にお入りください。問診票に基づいて検査、治療を含めた診療を進めていきます。
- 来院
- 問診記入
- 検査・治療
- 結果報告
検査方法
PCR法
結果が出るまでに3日かかりますが精度が高く最も信頼できます。尿(初尿)、膣自己ぬぐい(綿棒)、のどうがい液に対応しています。
迅速(即日)検査法
約1時間程度で結果がでますがPCR法に比して精度が若干劣ります。膣自己ぬぐい(綿棒)、咽頭自己ぬぐい(綿棒)に対応しております。
抗体検査
採血による検査です。
※女性のクラミジア、淋菌検査は尿検査(初尿)か膣自己ぬぐい採取をお選びいただけます。
※生理中、妊娠中の方は膣自己ぬぐい採取はお選びいただけません。
症状別メニュー
① 排尿時の尿道の痛み・違和感・尿道から膿が出る
→クラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎、非クラミジア/非淋菌性尿道炎(マイコプラズマ・ジェニタリウム感染)など。
尿道炎の原因の多くは性感染症です。その他、尿道の損傷によるものもあります。
② 陰茎部分の痛み・かゆみ・ただれ
→細菌性亀頭包囲炎、接触亀頭包囲炎、真菌性(カンジタ)亀頭包囲炎、性器ヘルペス
③ 陰部周囲のできもの
※典型例は複数の「ニワトリのとさか」様のできもの
→尖圭コンジローマ
④ 陰部周囲にいくつかの小水疱疹が出現し時に痛みを伴う
→性器ヘルペス
疾患別メニュー
クラミジア
クラミジアの特徴
- 潜伏期間は1~3週です。
- 1回の性行為での感染率は約40%です。
- クラミジアは粘膜や体液を介してのど、結膜、性器、肛門などの細胞に侵入して増殖することで発症します。ウイルスのように空気中からの飛沫感染や共用のタオル使用、プールの水、トイレや風呂の共用などの接触感染の可能性はほとんどありません。
- 女性の場合、膣から菌が検出されれば10~20%は咽頭からも検出されます。
クラミジアの症状
男性
- 約半数に症状が出現します(半数は無症状です)。
- 排尿時の尿道の痛み・違和感・尿道から膿が出る→クラミジア尿道炎
- 睾丸が腫れて痛い→クラミジア精巣上体炎
- 喉の違和感→クラミジア咽頭炎
女性
- 約8割が無症状です。
- 典型的な症状は排尿時痛、おりものの増加→クラミジア尿道炎/頸管炎
- 喉の違和感→クラミジア咽頭炎
クラミジアの種類
●クラミジア性精巣上体炎
尿道から感染が進み、睾丸が腫れて痛くなったり、お腹が圧迫されたような感覚があります。
●クラミジア性尿道炎
尿道にクラミジア感染が起こった場合、クラミジア性尿道炎と呼びます。
排尿の際に痛みや違和感を覚えたり、おりものが増えたり、粘性の膿が出るような場合もあります。また性器にかゆみや不快感が出ることもあります。
●クラミジア性子宮頸管炎
多くの場合、無症状です。女性の場合、男性と違い尿道ではなく膣や子宮頸管にクラミジアが感染し炎症を起こします。おりもののにおい・量が増えたり、下腹部痛、不正出血、かゆみなどの症状がでることがあります。感染に気付かずにいると、炎症が子宮頸管から卵管にまでおよび不妊症の原因となってしまいます。
●咽頭クラミジア
喉の粘膜にクラミジアが感染したものです。喉の違和感から始まり、痛みや腫れ、発熱といった咽頭炎に近い症状が出ますが、多くの場合は普通の風邪と症状が分かりにくいものです。そのため、感染していることに気付かずに周囲に感染を広げてしまう原因となっています。
クラミジアの検査項目・可能時期
感染していると思われる部位から直接検体を採取します。
迅速(即日)検査が可能です。
※男性の迅速(即日)検査は精度の問題で行っておりません。
男性:尿(初尿)、うがい液
女性:尿(初尿)、膣自己ぬぐい採取、うがい液
感染機会の24時間後から検査可能です。
クラミジアの治療
抗生剤の内服&点滴になります。
クラミジアの治療経過
- 1週間かけて徐々に改善していきます。
- 症状が改善しましたら抗生物質の処方後から4週経過した時点で再度検査を受けていただき陰性になったことを確認する必要があります。
- 治療後1週間しても症状が残る場合や変化がない場合は抗生剤を変更し再度治療する必要があります。
クラミジア感染症の注意点
- 症状だけでは淋菌とマイコプラズマ、ウレアプラズマは区別できないので検査によって見分けます。
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査・治療する必要があります。
- 一度感染しても、再度感染する可能性があります。
- クラミジアを含め性感染症は複数の病気に同時に罹患していることが多く、またそれらが無症状であることも少なくありません。そのため自費となりますが他の性感染症の存在を調べる検査を受けることをおすすめいたします。
淋菌
淋菌の特徴
- 潜伏期間は5日程度です。
- 1回の性行為での感染率は約30%です。
- 淋菌は人の粘膜にいる間は生存できますが、とても弱い菌なので日光や乾燥によって死滅してしまいます。粘膜に寄生しながら感染を広げていきますが、ウイルスのように空気中からの飛沫感染や共用のタオル使用、プールの水、トイレや風呂の共用などの接触感染の可能性はほとんどありません。
淋菌の症状
男性
- 排尿時の尿道の痛み・違和感・尿道から膿が出る→淋菌性尿道炎
- 睾丸が腫れて痛い→淋菌性精巣上体炎精巣上体炎
女性
- 約8割が無症状です。
- 典型的な症状は排尿時痛、おりものの増加→淋菌性尿道炎/頸管炎
淋菌の検査項目・可能時期
感染していると思われる部位から直接検体を採取することが大事です。
迅速(即日)検査が可能です。
※男性の迅速(即日)検査は精度の問題で行っておりません。
男性:尿(初尿)、うがい液
女性:尿(初尿)、膣自己ぬぐい採取、うがい液
感染機会の24時間後から検査可能です。
淋菌の治療
抗生物質の点滴もしくは筋肉注射で治療いたします。またクラミジアの混合感染が疑われる場合は内服薬を併用します。
淋菌の治療経過
抗生物質の処方後から3週経過した時点で再度検査を受けていただき陰性になったことを確認する必要があります。
淋菌の注意点
- 症状だけではクラミジアとマイコプラズマ、ウレアプラズマは区別できないので検査によって見分けます。
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査・治療する必要があります。
- 一度感染しても、再度感染する可能性があります。
- 抗生物質の処方後から3週経過した時点で再度検査を受けていただき陰性になったことを確認する必要があります。
- 淋菌を含め性感染症は複数の病気に同時に罹患していることが多く、またそれらが無症状であることも少なくありません。そのため自費となりますが他の性感染症の存在を調べる検査を受けることをおすすめいたします。
マイコプラズマ・ジェニタリウム
<目次>
マイコプラズマ・ジェニタリウムの特徴
感染しても大半の方が軽症もしくは無症状なことが多い感染症です。有症状時は男女共にクラミジアや淋菌と大変似た尿道炎を引き起こすことが多いため、淋菌やクラミジア感染が否定的な尿道炎の場合は疑うべき菌の一つです。
- 尿道炎の原因としてクラミジアや淋菌性が否定的な場合は当感染症を疑います。
- 咽頭感染は起こさないと考えられています。
マイコプラズマ・ジェニタリウムの症状
男性
- 大半の場合は軽症もしくは無症状です。
- 排尿時の尿道の痛み・違和感・尿道から膿が出る→尿道炎
- 睾丸が腫れて痛い→精巣上体炎精巣上体炎
女性
- 大半の場合は軽症もしくは無症状です。
- 典型的な症状は排尿時痛、おりものの増加→尿道炎/頸管炎
マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査項目・可能時期
感染していると思われる部位から直接検体を採取することが大事です。
男性:尿(初尿)
女性:尿(初尿)、膣自己ぬぐい採取
感染機会の24時間後から検査可能です。
マイコプラズマ・ジェニタリウムの治療
抗生物質の内服で治療していきます。
マイコプラズマ・ジェニタリウムの治療経過
- 2週間かけて徐々に改善していきます。
- マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症は難治性ですので、症状が改善しても必ず治療から2-3週後に再度マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査を行い治癒確認を要します。
- 治療後2週間しても症状が残る場合や変化がない場合は抗生剤を変更し再度治療する必要があります。
尖圭コンジローマ
<目次>
尖圭コンジローマの特徴
- ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる病気で性器や肛門の周囲などに特徴的なイボができます。コンジローマの原因はHPV 6.11型で、子宮頸がんの原因となるHPV16.18.31型とは別の型です。
- 潜伏期間は3週間~8ヶ月です。性器同士が擦れることで粘膜表面の傷から感染します。
尖圭コンジローマの症状
男女共に性器や肛門の周囲に「ニワトリのとさか」の様なできものを認めます。痛みやかゆみはほぼありません。
尖圭コンジローマの検査項目・検査可能時期
ダーモスコピーと呼ばれる特殊な拡大鏡を用いて診断します。
基本的にその場で診断が可能ですが悩ましい症例も一部あり、その場合は病変の一部を切除し病理検査で診断いたします。病理検査の場合、診断確定には約3週間を要します。
尖圭コンジローマの治療
軽症な場合は液体窒素による凍結療法、再発例や早期の治癒をご希望の方には炭酸ガスレーザーを用いた治療法を提案しております。日頃から炭酸ガスレーザー治療に関するお問い合わせを多くいただいておりますので以下に詳細を記載いたします。
炭酸ガスレーザー治療について
- 病変部位に局所麻酔を行った後、直接レーザーで削る治療方法となります。施術後は歩いて帰宅することが可能です。病変部位や範囲によりますが日常生活に極端な制約を要することはありません。
- 診察ご希望の方はお電話にて予約をお願いします。診察時に治療法の詳細を説明した後に日程を決定いたします(状況によっては当日施術も可能です)。
- 炭酸ガスレーザー治療は自費となります(施術料 ¥ 22,000~)。
- 病変数が多い場合は複数日に分けて治療する場合がございます。
- 病変数や部位によっては施術が困難な場合もございます。
- 早期の治癒を目指しますが、完治を確約することはできません。
尖圭コンジローマの注意点
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- 一度感染しても、再度感染する可能性があります。
- 尖圭コンジローマはかなり治りにくい疾患です。そのため症状が消失した後も1.3.6ヶ月に経過を観察する必要があります。
- 性感染症は複数の病気に同時に罹患していることが多く、またそれらが無症状であることも少なくありません。そのため自費となりますが他の性感染症の存在を調べる検査を受けることをおすすめいたします。
梅毒
梅毒の特徴
胎盤を介して感染する先天梅毒と性感染症の一つである後天梅毒に大別されます。後天梅毒のほとんどは性感染症で細菌が粘膜から侵入することで起こります。2010年頃から増加し始め2022年の感染者数は1万人を超えて社会問題にもなっています。
- 感染者の血液や精液、膣分泌液に菌が含まれており、性行為によりそれらが健常者の皮膚や粘膜に付着することで感染いたします。キスも感染経路となりえます。
- 早期梅毒は多彩な皮膚症状を呈し時期により皮疹の出現と消退を認めることがしばしばです。
- 飛沫感染や空気感染は無いため日常生活で感染することはありません。
- 母子感染は高確率で発生しますので妊娠時には梅毒検査は必須です。
梅毒の症状
潜伏期間は10~90日です。梅毒は4期に分類され感染力の強い第1期と2期を合わせて早期梅毒、それ以降を晩期梅毒と呼びます。皮疹は病期により変化し皮疹が認められない時期もあります(無症状の潜伏梅毒)。
●第一期:感染後90日以内
感染してから3週間程度で感染した部位(性器や口唇、肛門周囲など)にしこりが出現します。これらのしこりは約1ヶ月程度で自然と消えます。この期間は大変感染力が強い時期です。
●第二期:感染後3ヶ月~3年
体幹(梅毒バラ疹)や手のひら・足の裏(梅毒性乾癬)、性器(扁平コンジローマ)に多彩な皮疹を認めます。皮疹は治療をしなくても消失することがあります。この時期に異常を感じる方が多いようです。
●第三期~四期:感染後数年~数十年
皮膚以外の臓器(神経や血管、目)に障害を与える状況となります。
梅毒の検査項目・検査可能時期
採血による抗体チェック(TPHA法とRPR法の組み合わせ)
感染機会の6週間後から検査可能です。
検査結果の見方
TPHA(+) RPR(+)→梅毒に感染しています。
TPHA(-) RPR(-)→梅毒に感染していません。
TPHA(+) RPR(-)→梅毒治療後もしくは梅毒晩期。
TPHA(-) RPR(+)→感染初期もしくは生物学的偽陽性。
検査結果がTPHA(+)RPR(+)な場合は治療を開始する必要があります。また梅毒と診断されれば必ず再度採血を行いTPHAとRPRの実際の数値を測定する定量検査を行うことが必須です(最初に行う検査は感染の有無をチェックする定性検査です。治療効果判定時にはRPRの定量検査値を用います。)
梅毒の治療
抗生剤の内服治療を4~8週間行います。
※当院ではペニシリン注射製剤「ステルイズ」の注射療法は行っておりません。
梅毒の治療経過
まず抗生剤を内服後、2週間で副作用のチェックのために来院していただきます。抗生剤を4週間投与後には再度採血を行いRPRの数値を測定し治療前の数値の半分以下になっていれば治療を終了いたします。数値の低下が悪ければ再度抗生剤の投与を4週間行った後にRPRの数値を測定します。
治療後、約1年間はTP,RPR定量検査の採血フォローが必要です。
梅毒の注意点
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- 感染時期から間もない場合も考慮し(潜伏期間は10~90日)見逃しを防ぐ目的で複数回検査を受けていただく場合もございます。
- 梅毒はHIVに併発する例が増加しております。またHIV以外にも複数の病気に同時に罹患していることが多く、それらが無症状であることも少なくありません。そのため自費となりますが他の性感染症の存在を調べる検査を受けることを強くおすすめいたします。
性器ヘルペス
<目次>
性器ヘルペスの特徴
単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。単純ヘルペスウイルスは1型と2型があり1型は主に口唇ヘルペスの原因ですが性器にも感染することがあります。2型は性器のみに感染するウイルスで1型に比して再発しやすいと言われています。そのため性器ヘルペスは一度感染すると繰り返しやすいのが大きな特徴の一つです。
- 潜伏期間は2~10日です。
- 健常者では2~3週で自然治癒することもあります。ただ一度感染するとしばしば再発を繰り返すことがあります。
性器ヘルペスの症状
男性
陰茎に痛みを伴う複数の小さな水ぶくれができるのが典型例です。排尿時の痛みや足の付根周囲の痛みを伴うこともあります。
女性
外陰部に痛みを伴う複数の小さな水ぶくれができるのが典型例です。排尿時の痛みや足の付根周囲の痛みを伴うこともあります。男性のケースより症状が強い場合が多い印象です。
性器ヘルペスの検査項目・検査可能時期
ダーモスコピーと呼ばれる特殊な拡大鏡を用いて診断します。
基本的にその場で診断が可能ですが悩ましい症例も一部あり、疑わしい場合はその時点で治療を開始し経過を観察します。ヘルペスは早期治療が大変重要な疾患なためです。
性器ヘルペスの治療
初感染の場合:抗ウイルス薬の内服10日間
再感染の場合:高ウイルス薬の内服5日間+PIT療法もしくは再発抑制療法※
※詳細に関してはご相談ください。
性器ヘルペスの注意点
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- 性感染症は複数の病気に同時に罹患していることが多く、またそれらが無症状であることも少なくありません。そのため自費となりますが他の性感染症の存在を調べる検査を受けることをおすすめいたします。
HIV
<目次>
HIVの特徴
細菌、カビ、ウイルスなどの病原体から人の体を守る免疫細胞に感染するのがHIV(人免疫不全ウイルス)です。しばしばエイズウイルスとも呼ばれます。
エイズとはHIVにより引き起こされる病気のことで、具体的には原因不明の体調不良や下痢、体重減少から悪性腫瘍、様々な感染症などが起こりえます。
感染している人の精液や腟分泌液、血液、母乳が粘膜に接触することで感染します。そのため唾液や尿、汗、涙を介しての感染リスクはありません。
「性行為による感染」「血液感染」「母子感染」がHIVの主な感染経路です。
最近ではピアスや入れ墨など、出血を伴う施術における器具の使い回しで感染に至るケースもあり注意が必要です。
HIVの症状
HIVに感染すると原因不明の体調不良や下痢、体重減少が現れるケースもありますが、一方で無症状な場合もあります。感染初期の上記の様な症状は数日~数ヶ月で多くの場合は自然治癒します。その後は一旦症状がない期間が続きエイズを発症します。発症するまでの期間は1~10年以上と個人差があります。
HIVの検査項目・検査可能時期
採血によるHIV抗原・抗体検査
感染機会の6週間後から検査可能です。
HIVの治療
HIV感染症と診断された全員が治療の対象になります。現代の医学ではHIVウイルスを体内から除去することは出来ませんが、活動を抑えることは可能になってきています。
早期発見・早期治療でエイズの発症を遅らせることが可能になってきています。全国にエイズ治療拠点病院がありますので治療対象者の方には御紹介いたします。
HIVの注意点
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- HIVは早期発見・早期治療が大変重要です。感染機会があった場合は、現状で症状がなくても男女共にまず検査を受けることが大切です。
- 血液検査で調べることができるのでB型肝炎やC型肝炎、梅毒とあわせて検査することをおすすめします。
B型肝炎
<目次>
B型肝炎の特徴
B型肝炎ウイルス(HBV)とよばれる病原体による感染症です。日本国内には約150万人程度の感染者がいると言われており無症状の方も多い(症状が出現するのは20~30%)一方で、肝硬変や肝臓癌を発症する方もいます。
- 無症状の方も多いため自分が感染していることに気が付かずパートナーや家族にうつしてしまう恐れがあります。
- 感染している人の精液や腟分泌液、血液、母乳が粘膜に接触することで感染します。そのため唾液や尿、汗、涙を介しての感染リスクはありません。
- 「性行為による感染」「血液感染」「母子感染」がHBVの主な感染経路です。
- 最近ではピアスや入れ墨など、出血を伴う施術における器具の使い回しで感染に至るケースもあり注意が必要です。
B型肝炎の症状
急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。急性肝炎の場合は発熱・食欲不振・体重減少・倦怠感・黄疸などの症状が認められる時期がありますがそれらは自然に治癒することもあります。慢性肝炎の場合は目立った症状はほとんど無く気がついたら肝硬変や肝癌を発症していたということが多いようです。
B型肝炎の検査方法・検査可能時期
採血によるHBs抗原検査を行います。
検査可能時期は感染時期から4~8週後からお願いしております。
B型肝炎の治療
採血によるHBs抗原検査で陽性の方には専門医療機関を御紹介いたします。
B型肝炎の注意点
- B型肝炎ウイルスの感染を予防するにはワクチン接種が有効です。医療従事者や救急救命士、ご家族にB型肝炎の方がいらっしゃる方は御検討ください。
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- B型肝炎は早期発見・早期治療が大変重要です。感染機会があった場合は、現状で症状がなくても男女共にまず検査を受けることが大切です。
- 血液検査で調べることができるのでC型肝炎やHIV、梅毒とあわせて検査することをおすすめします。
C型肝炎
<目次>
C型肝炎の特徴
C型肝炎ウイルス(HBV)とよばれる病原体による感染症です。C型肝炎ウイルスは感染力が弱いため、性交渉による感染リスクはほぼないといわれており性感染症には含まれないかもしれませんが以下に要点を記載いたします。
日本国内には約100万人程度の感染者がいると言われており無症状の方が多い(約80%)一方で、肝硬変や肝臓癌を発症する方もいます。
- 血液感染が主な感染経路です。
- C型肝炎ウイルスは感染力が弱いため、性交渉による感染リスクはほぼないといわれています。しかし、出血を伴うような性交渉がある場合には、血液を介して感染する危険性が高くなります。
- 母子感染のリスクも低いと報告されています。
- 最近ではピアスや入れ墨など、出血を伴う施術における器具の使い回しで感染に至るケースもあり注意が必要です。
C型肝炎の症状
当初は特に症状を認めず、肝硬変や肝癌を発症して気がつく例もあります。
C型肝炎の検査項目・検査可能時期
採血によるHCV抗体検査を行います。
検査可能時期に関しては感染時期から6~8週後からお願いしております。
C型肝炎の治療
採血によるHCV抗体検査で陽性の方には専門医療機関を御紹介いたします。
C型肝炎の注意点
- 現在C型肝炎を予防するワクチンはありません。
- 感染が確認された場合は自分自身だけでなくパートナーも検査する必要があります。
- C型肝炎は早期発見・早期治療が大変重要です。感染機会があった場合は、現状で症状がなくても男女共にまず検査を受けることが大切です。
- 血液検査で調べることができるのでB型肝炎やHIV、梅毒とあわせて検査することをおすすめします。
保険診療・自費(自由)診療の料金
通常検査(保険診療)
検査項目 | 検査方法 | 費用 | 検査結果通知 | 検査可能時期 |
---|---|---|---|---|
淋菌 | 尿 | 約 ¥2,100 | 3~4日後 | 24時間後 |
膣ぬぐい | 約 ¥2,100 | |||
のど | 約 ¥2,100 | |||
のど+尿 | 約 ¥2,500 | 3~4日後 | 24時間後 | |
クラミジア | 尿 | 約 ¥2,100 | 3~4日後 | 24時間後 |
膣ぬぐい | 約 ¥2,100 | |||
のど | 約 ¥2,100 | |||
のど+尿 | 約 ¥2,500 | 3~4日後 | 24時間後 | |
梅毒 | 血液 | 約 ¥3,000 | 2~3日後 | 6週間後 |
※保険診療の場合は初診料・再診療を含んだ概算になります
※2 マイコプラズマ・ジェニタリウムの保険検査は淋菌・クラミジア検査が陰性であり症状がある方になります。マイコプラズマ・ジェニタリウム以外を調べたい方や症状がない方は自費治療になります。
通常検査(自費診療)
(税込)
検査項目 | 検査方法 | 費用 | 検査結果通知 | 検査可能時期 |
---|---|---|---|---|
淋菌 | 尿・膣ぬぐい | ¥4,400 | 3~4日後 | 24時間後 |
のど(うがい液) | ¥4,400 | 3~4日後 | 24時間後 | |
クラミジア | 尿・膣ぬぐい | ¥4,400 | 3~4日後 | 24時間後 |
のど(うがい液) | ¥4,400 | 3~4日後 | 24時間後 | |
梅毒 | 血液 | ¥4,400 | 2~3日後 | 6週間後 |
HIV抗原・抗体検査(第四世代) | 血液 | ¥4,400 | 2~3日後 | 4週間後 |
B型肝炎(HBs抗原) | 血液 | ¥4,400 | 2~3日後 | 4~8週後 |
C型肝炎(HCV抗体) | 血液 | ¥4,400 | 4~10日後 | 6~8週後 |
※初診料・再診療は含まれた金額になります
※相談のみで検査をされない場合は初診料2,200円、再診療1,100円かかります
※検査時期とは感染してから検査可能になる必要時間のことです
※再検査になると結果が遅れる可能性があります
※祝祭日、休診日を挟むと結果が遅れる可能性があります
即日検査(自費治療)
(税込)
検査項目 | 検査方法 | 費用 | 検査結果通知 | 検査可能時期 |
---|---|---|---|---|
淋菌 | 尿・膣ぬぐい | ¥7,700 | 40分前後 | 24時間後 |
のど | ¥7,700 | 40分前後 | 24時間後 | |
クラミジア | 尿・膣ぬぐい | ¥7,700 | 40分前後 | 24時間後 |
のど | ¥7,700 | 40分前後 | 24時間後 |
※初診料・再診療は含まれた金額になります
※結果が陽性の場合は治療開始となります(治療開始の場合は別途お薬代がかかります)
セットメニューとその料金
(税込)
セット名 | 検査方法・内容 | 費用 | 検査結果通知 |
---|---|---|---|
性病基本セット (7項目) |
尿or膣ぬぐい:クラミジア・淋菌 のど:クラミジア・淋菌 血液:HIV・梅毒・B型肝炎 |
¥19,800 | 3~4日後 |
症状が出にくい性病セット (4項目) |
尿or膣ぬぐい:クラミジア・淋菌 のど:クラミジア・淋菌 |
¥14,500 | 3~4日後 |
血液検査ベーシック (4項目) |
HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎 | ¥9,900 | 3~4日後 |
即日セット (4項目) |
尿or膣ぬぐい:クラミジア・淋菌 のど:クラミジア・淋菌 |
¥24,800 | 40分前後 |
※初診料・再診療が含まれた金額となります
※結果が陽性の場合は治療開始となります
※検査項目により結果が出るタイミングが異なり、再検査の場合は結果判定以上の時間がかかる場合がございます
※祝祭日、休診日を挟むと結果が遅れる可能性があります
性感染症(保険・自費診療)に関する良くある疑問・質問
性感染症領域を扱うクリニックを検索すると自費(自由)診療のクリニックの数割合が多いのに気づかれることでしょう。なかには自費(自由)診療にすることで受診者にとって多くのメリットがあるとHPに記載されているクリニックもあります。
以下にしばしばいただくご質問に関してのお答えを記載いたします。
- 保険診療と自費診療で診療を受けた場合、支払金額はどちらが高くなりますか?
- 健康保険が適応される場合、自己負担額は3割となります。一方、自由診療の場合は保険が効かないため全額自己負担になり、保険診療の場合と比べて費用が高くなる傾向があります。
- 保険診療で受診すると会社や家族に性病の治療や検査をしたことがバレますか?
- 保険診療では年1回、自宅に「医療費のお知らせ」が届きます。それには保険診療を受けた医療機関名と金額が記載されているのみです。ご家族が仮に検索しても当院は皮膚科、美容皮膚科、ペインクリニックなど複数領域の診療を行っており、クリニック名からも性病を連想することはないと思われます。
- 自費診療だと質の高い検査や治療ができると聞いたのですが。
- 自費診療と保険診療はお支払いいただく金額は異なりますが、検査や治療薬の質は変わりません。
- 保険診療は検査結果が出ないと治療が開始できないと聞いたのですが。
- その様な事実はございません。診療(検査)当日より治療を開始することが可能です。
- 匿名で受診したいのですが保険診療でも可能ですか?
- 保険診療を行う際には保険証を確認させていただく必要があります。そのため匿名での受診希望を希望される場合は自費診療となります。
- 症状が出ていないのですが性病が心配です。保険診療で検査出来ますか?
- 膿が出ている、赤みがある、イボができているなど何か症状を認める場合は保険診療での検査・治療が可能です。一方、症状を認めず「性感染症が気になる」「パートナーが性病になったので自分も検査したい」「結婚前などのブライダルチェック」などの場合は自費での検査となります。
- 自費診療は患者にあった最適な提案ができると聞いたのですが。
- 確かに保険診療は検査・治療に関して制約がございます。以下に代表的な保険診療対象外の項目をお示しします。
- 淋菌、クラミジア、マイコプラズマ ジェニタリウムの同時検査
- クラミジアや淋菌の即日検査